コンテンツへスキップ

日本の香り・匂い袋づくり体験

● 河口湖駅から徒歩5分。富士山を望む特別な空間で楽しむ、日本の伝統的な香文化体験。

● 毎日開催、所要時間約2時間。初心者でも安心の英語対応、本格的な和文化体験。

● 豊富な色柄の和の生地を自由に組み合わせ、表裏で異なるデザインの匂い袋を二つ手縫いで制作。

●10種類の上質な天然香原料を聞き比べ、専門家の助言を受けながら二つの香りを自由に調合。

● 世界にひとつだけの匂い袋を二つお持ち帰り。

体験概要

Upon Arrival | はじまりの時間

和裁と天然香原料の調合で仕立てる、二つの匂い袋。日本の伝統的な和裁と香文化に触れながら、自分だけの匂い袋を二つ仕立てます。色とりどりの和の生地を選び、一針ずつ縫い合わせた後は、老山白檀や天然龍脳をはじめとする10種類の上質な天然香原料を聞き比べます。香りの専門家のアドバイスを受けながら、好みに合わせて二つの香りを調合。生地の組み合わせから香り、結び方に至るまで、ご自身の感性を生かして仕上げる、日本ならではの手仕事体験です。

+15 min | # 生地選び

豊富な色柄の和の生地から、お好みの布を選びます。二つの匂い袋をつくるために、四つの生地をお選びいただき、それぞれ表と裏で異なる生地を組み合わせます。伝統的な文様から華やかな色柄まで、多彩な生地の中から、心惹かれる組み合わせを見つけてください。生地にはあらかじめ接着芯と縫い代が施されているため、初めての方でも美しい形に仕立てられます。

+25 min | # 和裁

選んだ生地を一針ずつ縫い合わせ、二つの匂い袋を仕立てます。表裏の柄に合わせて、縫い糸の色も自由に選べます。色彩の調和を楽しみながら、日本の伝統的な手縫いの技法に触れていただきます。針の運び方から丁寧にご案内しますので、裁縫の経験がない方も安心してご参加いただけます。

+70 min| # 天然香原料の聞き比べ

インド・マイソール産の老山白檀や天然龍脳をはじめ、厳選された10種類の天然香原料を一つずつ聞き比べます。白檀のまろやかな甘さ、龍脳の清涼感、丁子の温かみのある香り。それぞれの個性を知りながら、心地よく感じる香りを見つけていきます。匂い袋には、香木や植物を細かく刻んだ「刻み」の香原料を使用します。素材本来の形や質感が残り、自然が育んだ香りを五感で楽しめるのも魅力です。

+80 min | # 二つの香りの調合

お好みの香原料を少しずつすくい、混ぜ合わせながら香りの変化を確かめます。一つの香りにつきスプーン5杯分を調合し、異なる二つの香りを作ります。決まったレシピはなく、香りの専門家が素材の特徴や配合のバランスをご案内しながら、自由な香りづくりをお手伝いします。おすすめは、穏やかで甘みのある香りと、清々しく爽やかな香りの組み合わせ。甘い香りは枕元に添えてくつろぎのひとときに。爽やかな香りはバッグに結び、お守りのように持ち歩くなど、異なる香りを暮らしの中でお楽しみいただけます。

+100 min | # 匂い袋の仕立て

二つの袋と、それぞれに合わせた香りが完成したら、最後の仕立てに進みます。手縫いの袋に調合した香原料を詰め、ふっくらと柔らかな形になるよう綿を添えます。仕上げには、上質なヘンプ100%の糸を使用します。結び方は、袋の正面に蝶結びを施すスタイルと、バッグなどに取り付けられるストラップ型の二種類。お好みの使い方に合わせてお選びください。生地を選び、針を運び、香りを重ねて仕立てた二つの匂い袋。日本の手仕事と香文化に触れた思い出を、ご自身だけの香りとともにお持ち帰りください。

同意事項の確認

体験内容

ご来場に関するご案内

体験の特徴

飛鳥時代(538年〜710年)- 香りの渡来

日本のお香の歴史は、仏教文化の伝来とともに始まりました。538年、仏教が公式に日本に伝来した際、お香も一緒に渡来したとされています。

日本最初のお香にまつわる伝説として、淡路島に流れ着いた香木を焼いたところ、素晴らしい香りが広がったという物語が残っています。この出来事が、日本人と香りの深い関係の始まりでした。

当初、お香は仏教儀式における仏への供養として「焼香(しょうこう)」の形で使われました。香木(こうぼく)を炊いて煙を立ち昇らせることで、仏への敬意を表したのです。

奈良時代(710年〜794年)- 香の調合技術の伝来

奈良時代、聖武天皇の時代に鑑真和上が来日しました。この際、鑑真和上はたくさんの種類のお香を持参し、同時にお香の調合方法を日本に伝えました。これにより、日本独自の香りの文化が育まれる基盤が築かれました。

正倉院には、日本最古の匂い袋が今も大切に保管されています。これは奈良時代の貴族たちがどれほど香りを愛していたかを物語る貴重な宝物です。正倉院に納められた名香と同じ香原料――白檀、龍脳、丁子――は、遙かシルクロードを渡って日本に届けられた、国際交流の証でもあります。

この時代、お香は虫除けや臭い消し、魔除けとして日常生活でも使われるようになりました。

正倉院に保管されている匂い袋のうち大型のものは他の宝物を害虫から守る衣被香(えびこう)として用いられたと考えられます。

また、長い口ひもをつけた小型のものも保存されており、帯に下げて使われていたようです。

平安時代(794年〜1185年)- 香りの美学と薫物合

平安時代に入ると、お香は貴族文化の中心的な存在となります。貴族たちは想い人に向けて書いた和歌を記した紙にお香の香りをつけて、相手に対して自分のセンスやステータスをさりげなく伝えていました。香りは、言葉以上に深い感性と教養を示すコミュニケーションツールだったのです。

貴族たちは自ら香りを調合し、自分だけの香りを創り出しました。そして「伏籠(ふせご)」などを用いて自らの衣に薫き染め、香りを身に纏いながら生活をしました。

「薫衣香(くのえこう)」とは、衣服に香りを薫き染めること。
**空薫(そらだき)**とは、部屋に香りを漂わせることを指します。

薫物合(たきものあわせ)と六種の薫物

平安時代の宮中では、様々なものを比較して優劣を競う「物合わせ」が流行していました。その中でも特に人気だったのが「薫物合(たきものあわせ)」です。

薫物合とは、自作の「薫物」の優劣を競うゲームのこと。「香り」そのものだけでなく、「銘」の文学的表現や、使われている道具、周囲の状況などを総合的に判定者が評価します。

紫式部の『源氏物語』「梅枝(うめがえ)」の巻にも、薫物合の華やかな様子が描かれています。貴族たちは、思い思いに秘密裏に香の材料を調合してオリジナルの薫物を作りました。特に高貴な方の調合法を入手できる立場の人は、それがステータスの証でした。

「六種の薫物」と呼ばれる基本的な調合があり、季節や場面に応じて使い分けられました:
- 梅花(春)
- 荷葉(夏)
- 侍従(夏)
- 菊花(秋)
- 落葉(秋)
- 黒方(冬)

鎌倉時代(1185年〜1333年)- 新仏教と焼香の普及

鎌倉時代には「鎌倉新仏教」と呼ばれる、現代まで続く仏教の宗派が出揃いました。禅宗の伝来により、刻んだ香料をつまんで仏前の香炉に入れるという、今の焼香のやり方が広まりました。禅の精神とともに、香りは瞑想や修行の補助としても重要な役割を果たすようになります。